
建築鑑査ガルア東京
新築一戸建て分譲住宅引渡しの住宅断熱性能における施工エラーに因る欠格・不具合の象例を、レベル2にてご照会しています。
内覧会同行の立会いチェックで検出した断熱材欠格事象や異常な熱橋現象を、専任一級建築士が検証した実態の断熱材チェックポイントです。
住宅断熱性能の検出地域は、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、茨城県(東京近郊)エリア内の象例事例です。
下記の不具合事例リストは、引渡前の内覧会同行時に検証した新築戸建て住宅の不具合種別事例です。
補足: LV8・LV1並びLV4などの屋内部は、新築マンション住戸と類似した不具合象例です。
LV2 住宅断熱性能不具合象例 (新築一戸建て引渡し前の断熱性能と断熱材劣化耐久性に支障及ぼす象例)
尚、本章並び弊社で照会する全ての不具合事例は、新築住宅不安を煽る目的で公開している訳ではございません。 依って、「できている物だから…建売だから…仕方がない」とお考えの建売購入方様方におかれましては、大変失礼ながらご覧にならないようお勧めします。 | |
区分 | 摘要 |
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断熱性能検分対象物 |
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断熱性能検証分類 |
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1.最上階天井・小屋裏断熱検証例 |
11.屋根裏断熱材敷詰め不良象例(断熱住宅性能低下・住生活者健康安全欠落の不具合)![]() 屋根裏内部(最上階天井裏面部)の断熱材敷詰め部分に詰め空きが生じた“断熱材敷詰め不足”の不良象例です。 断熱材敷詰め不足の当該事象は、住宅断熱の性能を著しく低下させる要因となる断熱材設置欠格の施工エラーと所見します。 加えて年月経過に伴い、敷詰め不足事象付近の天井面や内装壁面に“サーマルブリッジ現象等で起因する結露及びカビ発生”をも誘引させ得る状況と考察でき、断熱住宅性能品質及び住生活者健康安全上、軽視できない施工エラーに因る断熱性能欠格住宅と考査します。 尚、断熱材敷詰め不足部分の下面緑色材は、断熱材への湿気浸透を防ぐ「防湿フイルム材」です。 |
12.屋根断熱部位の防湿シート損傷象例(住宅断熱耐久品質性能低下・住生活者健康支障の不具合)![]() ![]() 屋根裏内部に設置された断熱材の防湿材(既成断熱材の室内側防湿材面)が“防湿層損傷”した象例です。 画像のピンク色シート材を指摘している訳ではない。当該黄色ウール系断熱材下部に存在する防湿材とピンク色シートが一対化した既成断熱材品であり、ピンク色シート損壊=防湿材損壊実態を目視確認した指摘である。 事象検分結果としては①防湿層に切り裂き状損壊 ②黄色ウール断熱材の敷詰め厚さ基準に均一性欠格などが挙げられた。そして、当該事象も結露が頻発する年月経過に伴い、住宅断熱材の耐久品質性能を著しく加速低下させ得る実態の不具合と診査でき、断熱施工品質管理ミスに起因する新築住宅完成品質不良、加えて断熱材周辺の屋根裏換気状況次第では断熱材に“黒色カビ種の発生・繁殖”なども誘発させ、住生活者健康に支障及ぼす得る予兆と考査します。
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2.外壁断熱検証例 |
21.外壁断熱部位の断熱材設置欠損と防湿材損壊象例(住宅断熱性能低下加速性・防湿材損壊・住宅寿命耐用年数低下の不具合)![]() ![]() 新築一戸建て引渡前分譲住宅で検出した、外壁部位の“断熱材設置欠損と室内側面の防湿材が損壊”象例です。 当象例は、A象例とB象例の不良事象が混合した2箇所の事例です。①箇所は中間階天井裏内部におけるA象例・外壁断熱材とB象例・防湿材の施工部分、②箇所は屋根裏内部におけるA象例・外壁断熱材とB象例・防湿材が施工された部分の実態が分譲一戸建てに多数検出した象例です。 A象例の“外壁断熱材設置欠損”は前述11.屋根裏断熱材敷詰め不良象例と同様に、住宅断熱性能を著しく低下させる要因となる加速性不具合と考察し、断熱材設置欠格と考査します。 次にB象例の防湿材とは、ウール状形断熱材が結露ならび湿気を吸収する作用による断熱性能低下を防止するために密封貼りで設置される防湿材であり、住宅内部側の防水材と考えても良い重要な住宅構築部材です。この“防湿材が損壊”した現状は、室内から発生した湿気が内装建材を浸透通過し、壁内のウール状形断熱材がそれを吸収して堆積現象に進行します。
![]() ![]() 【啓蒙】 この悪現象を長期間放置した場合には人体に有害な黒カビ(クラドスポリウム)が生殖・繁殖状況を意味する「ダンブネス状態」の恐れがあり、最悪時には居住者の健康人体を害したケースも少なからず報告されている。依って、不作為な施工に因る木造住宅劣化耐久維持性能欠格及び住生活健康安全予防不良が存在する新築分譲戸建て住宅と考査した事例です。 ![]() 【安危】 B象例の防湿材は、年月経過に伴いウール状形断熱材が結露ならび湿気を吸収する作用による断熱性能低下を防止するために密封貼りで設置される防湿材であり、外壁室内側の防水材と考えてもよい重要な住宅構築部材です。この“防湿材が損壊”した場合では、室内から発生された湿気が改装材を浸透し、外壁内設置のウール状形断熱材がそれを吸収して堆積現象に進行する恐れがあります。 |
22.外壁断熱部位の設置不足並び防湿材欠落象例(住生活者健康安全被害・劣化耐久維持性能低下・木造住宅維持費増加の不具合) |
![]() 新築戸建て建売住宅の購入者引渡前内覧会にて検出した、外壁内部“外壁断熱材設置不足並び防湿材欠落”した象例です。 この検出箇所は中間階に位置した換気機能を有しない天井裏内の外壁内断熱材設置部位です。外壁内断熱材並び防湿材が取設欠落した甚大な欠格象例です。(補足:断熱材裏面の上部に見える建材は外壁屋外側下地材の耐震構造用合板面材です) 当戸建て新築住宅の欠格部分は直ちに支障をおぼす事はなく、又、此れを察知する購入者も少ない。だが経年事象を時系で補説すると
などのケース事実を踏まえ、住宅断熱の施工不作為に因る住生活者健康安全被害及び劣化耐久維持性能低下に伴う木造住宅維持費増大が存在する新築一戸建て分譲住宅と考査する。
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3.最下階床断熱検証例 |
41.住宅床断熱材剥落象例(住宅断熱性能低下・住生活環境悪化)![]() 再内覧会時に床下進入精査で検出した“床下断熱材剥落及び床下断熱材剥脱”象例の新築一戸建てです。 最下階の床下進入調査から、床断熱材の押出法ポリスチレンフォーム3種(厚さ50㎜)82㎝四方サイズ断熱材の“剥落及び断熱材設置端部剥脱”事象が点在する象例です。 事象起因は、断熱材上部に存在する床暖房の過剰配線とその重量と考察します。 由って、これらの事象状況から住宅断熱性能低下及びそれに伴う住生活環境悪化の恐れ箇所が存する新築分譲住宅と考査します。 |
32.住宅床断熱材湾曲下落象例(断熱性能低下・住生活環境障害及ぼす不具合)![]() ![]() 新築戸建て内覧会に立会い同行した当日に床下進入精査で検出した、“床断熱材の湾曲下落”象例です。 最下階断の床下グラスウール系断熱材が湾曲下落し、床下地材から剥脱した断熱性能低下の不良事例です。 冬季を除き直ちに支障およぼす事象ではないと推定するが、年月経過に伴い住宅断熱性能低下が進行し、以って住生活環境障害の恐れが存する建売住宅と考査します。 【湾曲下落剥脱主因】 断熱材の剥離・落下を防ぐための不織布シート端部止め金具の選定不備、又は取付け数不足と考察するが、どちらであれ施工エラーである。 |
33.住宅床断熱材付帯不織布破損象例(住宅断熱性能低下・住生活環境障害の恐れある不具合)![]() 新築戸建て引渡前立会いの内覧会同行チェック・床下進入精査で検出した“床断熱材付帯不織布破損”象例です。 最下階床のチップ状吹込み系断熱材であるが、そのチップ状材の剥離落下予防を担う不織布シートが破損した不良事例です。 当事象も前項同様、住宅構成構造が直ちに支障およぼす事はない推定されるが、不織布破損を放置した場合には年月経過に伴う住宅断熱性能低下が進行及び住生活環境障害が生じる恐れが存する分譲住宅と考査します。 【回想】 当該指摘事象を目視確認しない分譲主と施工業者は「断熱性能に問題ない!…」と論外の怪説を口述されたが、仮にそうで在れば、何故に不織布を用いたのかの疑問も理解できない稚拙な業者と考量した。(議論無用) |
4.ユニットバス床下部位断熱検証例 |
31.ユニットバス床下基礎断熱欠落象例(住宅断熱性能低下・住環境悪化・木造住宅耐久維持性能低下の不具合)![]() 新築戸建て引渡し前の内覧会に同行立会いで検出した、ユニットバス浴室床下周部の基礎面に“基礎断熱が欠落”した象例です。 この新築住宅の浴室は床断熱仕様の気密型ユニットバスではない。由って、ユニットバス床下周部の基礎面にはJIS規格の断熱性能を有する断熱材で覆う定めに沿わない欠格象例です。 この種の象例も直ちに支障おぼすことはなく、専門知識を有さない住生活の方には、それに起因した異状事象も早期に気づく事も難しいケースであるが、木造住宅の経年劣化を加速させる要因の一象例です。 これらを鑑み、施工エラー及び法定工事監理者責務の不作為に因る住宅断熱性能低下と住環境悪化及び木造住宅耐久維持性能低下が存する新築一戸建て住宅にて、契約不適合・施工瑕疵相当と考査します。
【苦言】 建売住宅ゆえか又は稚拙な下請け業者ゆえか、どちらであれ、日本住宅のもの造りを憂う。 |
42.ユニットバス床下断熱空間の気流止め点検口欠落象例(住宅断熱性能低下・住環境悪化・木造住宅耐久維持性能低下の不具合)![]() ![]() 新築戸建ての引渡前に検出した、ユニットバス床下の空間隔離部分に断熱性能をもつ“気流止め点検蓋が欠落”した象例です。(尚、当該箇所の検分では基礎上部の土台材に基礎から飛び出した“土台ずれ”も検出) 気流止め設置欠落事象並び土台位置の検分結果から、住宅断熱性能低下因る住環境悪化及び木造住宅耐久維持性能低下が存し、「契約不適合」及び「施工瑕疵相当」又は「その両方」値する新築戸建て住宅と考査する。 左画像下段の断面図解画像は、ユニットバス使用浴室に気流止め無い場合の外気が住宅屋内で気流する事実解説です。 気流止めの役割・効果は、床下換気の外気が間仕切り内壁の内部に進入し、浴室及び浴室廻りの天井裏内部で“結露事象”から、天井面・壁面に「雨漏り状現象」を生じさせる。更に住宅構成木材を腐朽し住宅耐久性能低下を誘発させない為の「木造住宅普及手法」と言える仕様です。
【余談】 ちなみながら、持家主の自主点検を考えた場合は前者の建材が良いと思量する。 |
43.断熱構造仕様ユニットバスパネル縁部の流止め破損象例(住生活行為障害・住宅寿命耐用年数低下誘引の不具合)![]() ![]() この象例は、住宅浴室に設置された断熱構造仕様ユニットバスのパネル縁四周部に“気流止め樹脂材損壊”が存した木造新築戸建てです。 左上段画像はユニット床の気流止め樹脂材がした実態をデジタルカメラ検分と風速計で気流量測定検証した結果、「気流止め樹脂材破損」が認められた箇所です。 左下段画像のイラスト画は、「気流止め」が必要とする箇所を示した製品メーカー施工説明書の断面図です。 当象例は、この「赤色部分の気流止め」が破損した象例です。 【補足】 気流止め部分から上部の外壁断熱材屋内面には「防湿材付き」が必要です。(当該物件では浴室天井裏調査無依頼から、目視チェックは実施しておりません) 前記実態から、住生活環境悪化及び木造住宅耐久維持性能低下の恐れ箇所が存する新築木造戸建ての分譲住宅と考査します。 |